車が動かない時の対処法。突然車が故障してしまったら?
「出勤しようとしたらエンジンが掛からない」「出先で突然車が動かなくなった」など、予兆なしに車が動かなくなることがあるかもしれません。車が動かなくなる原因は様々ありますが、どうしたらいいかわからない方もいることでしょう。
今回は、車が動かない時の主な原因と対処法についての解説です。事前に知識があれば、いざというときでも落ち着いた対処が可能になります。
車が動かない時にまず確認したい5つのこと
突然車が動かなくなってしまったら、まずは落ち着いて以下の5つを確認してみましょう。
ガス欠
エンジンを掛けずにIG ON(キーであればカチカチと二段階だけ捻る、プッシュスタートであればブレーキを踏まずに二回だけ押す)の状態にすると、メーターパネルの電源が入ります。その状態でガソリンメーターを確認しましょう。針や目盛りが残量0を指している、或いは燃料残量警告灯(給油ランプ)が点いている場合は、ガソリンが無くなっている可能性が高いです。
車種によっては警告灯が装備されていない場合もあります。
車種によっては警告灯が装備されていない場合もあります。
シフトレバーがPレンジに入っていない
オートマ車の場合、シフトレバーがP以外のレンジに入っている場合、エンジンを切ってしまうとそのままの状態ではエンジンの再始動ができません。これは、エンジンを掛けた瞬間の思わぬ急発進を防ぐためです。
シフトレバーをP以外のレンジに入れたままエンジンを切ってしまったら、ブレーキを踏みながらシフトレバーを操作し、Pレンジに入れたことを確認してからエンジンを再始動してください。
シフトレバーをP以外のレンジに入れたままエンジンを切ってしまったら、ブレーキを踏みながらシフトレバーを操作し、Pレンジに入れたことを確認してからエンジンを再始動してください。
ブレーキを踏んでいない
上記のシフトレバーの問題と類似しているのですが、ブレーキペダルを踏んでいない状態では、急発進防止のため、エンジンが掛からないようになっています。
また、製造年代によってはマニュアル車はクラッチペダルを踏んでいないとエンジンが掛かりません。
また、製造年代によってはマニュアル車はクラッチペダルを踏んでいないとエンジンが掛かりません。
スマートキーの電池切れ
スマートキーの電池が切れていると、プッシュスタートボタンを押しても反応しません。
この場合は、スマートキーをプッシュスタートボタンにかざし、ボタンやメーターのLEDが点灯したことを確認してからボタンを押してください。
スマートキーにはメカニカルキー(物理的な鍵)が内蔵されている場合が多いです。スマートキーの電池が切れた場合はドアの鍵の施錠はメカニカルキーで行いましょう。
この場合は、スマートキーをプッシュスタートボタンにかざし、ボタンやメーターのLEDが点灯したことを確認してからボタンを押してください。
スマートキーにはメカニカルキー(物理的な鍵)が内蔵されている場合が多いです。スマートキーの電池が切れた場合はドアの鍵の施錠はメカニカルキーで行いましょう。
ハンドルロックが掛かっている
ハンドルロックとは、車のキーを抜いた後にハンドルを左右どちらかに軽く切ると、ハンドルが切れないようにロックがかかる仕組みのことで、盗難防止の目的で付いています。
ハンドルロックが掛かっていると、そのままの状態ではキーが一切回りません。
この場合は、キーを差し込み、ハンドルを左右どちらかに軽く切りながらキーを回すと解錠できます。
ハンドルロックが掛かっていると、そのままの状態ではキーが一切回りません。
この場合は、キーを差し込み、ハンドルを左右どちらかに軽く切りながらキーを回すと解錠できます。
車が動かない時の主な原因
車が動かない主な原因は以下の4つです。
バッテリー上がり
長期間、車を放置していたり、ヘッドライトや車内ライトを点けっぱなしにしてしまうとバッテリーが上がってしまいます。また、極短距離を走ってすぐにエンジンを切ってしまうような使い方を繰り返すと、バッテリーの充電量が少なく、同じくバッテリー上がりの原因になってしまいます。
一度上がってしまったバッテリーは満充電を行っても性能が大きく低下し、上がりやすくなってしまいますので、週に一度は30分程度の連続した走行を行うなど、バッテリーの充電を意識した運転をしてみましょう。
一度上がってしまったバッテリーは満充電を行っても性能が大きく低下し、上がりやすくなってしまいますので、週に一度は30分程度の連続した走行を行うなど、バッテリーの充電を意識した運転をしてみましょう。
メインヒューズの断線
メインヒューズは、車の中で一番大きなヒューズで、バッテリーから伸びる配線のすぐ後ろについていることが多いです。事故などで配線がショートした場合に、ショートを原因とした車両火災を防ぐために設けられています。
オーディオや後付けの照明などを過度に付けすぎると、配線に負荷が掛かり、ヒューズが飛ぶことがあります。大抵はメインヒューズ以前の小さいヒューズが飛ぶのですが、一度に大電流が流れてしまうと小さいヒューズが間に合わずにメインヒューズまで飛んでしまうこともあります。
もし電装品の後付け作業を自分で行った後に車が動かなくなったら、メインを含めたヒューズボックスの確認を行ってみましょう。
オーディオや後付けの照明などを過度に付けすぎると、配線に負荷が掛かり、ヒューズが飛ぶことがあります。大抵はメインヒューズ以前の小さいヒューズが飛ぶのですが、一度に大電流が流れてしまうと小さいヒューズが間に合わずにメインヒューズまで飛んでしまうこともあります。
もし電装品の後付け作業を自分で行った後に車が動かなくなったら、メインを含めたヒューズボックスの確認を行ってみましょう。
セルモーターの故障
セルモーターはエンジンを始動させるためのモーターで、英語の”self starter motor”を略した説と、バッテリー(cell)を使ったモーターであるからという説があります。
セルモーターが故障すると、エンジンを始動する際特有の「キュルキュル」という音が発生しません。
「モーターは動くけど回転が極めて遅い」、「音が重たそう」等の場合はバッテリー上がりが疑わしくなりますが、メーターパネルやオーディオは問題なく点灯するのにセルモーターだけ動かない場合はセルモーターの故障が疑われます。
セルモーターが故障している場合は修理・交換が必要です。
セルモーターが故障すると、エンジンを始動する際特有の「キュルキュル」という音が発生しません。
「モーターは動くけど回転が極めて遅い」、「音が重たそう」等の場合はバッテリー上がりが疑わしくなりますが、メーターパネルやオーディオは問題なく点灯するのにセルモーターだけ動かない場合はセルモーターの故障が疑われます。
セルモーターが故障している場合は修理・交換が必要です。
エンジンの故障
エンジン本体が故障している場合も、セルモーターが回らない場合があります。オーバーヒートを起こして完全に焼き付いてしまっている場合は、セルモーターがエンジンを回そうとしても抵抗が大きすぎて回せなくなってしまうのです。
他にも、ボンネットから煙が出た、異臭がしたなどの心当たりがある場合は重篤なエンジン異常が考えられますので、セルモーターが回ったとしても無理にエンジンを掛けないようにしましょう。
他にも、ボンネットから煙が出た、異臭がしたなどの心当たりがある場合は重篤なエンジン異常が考えられますので、セルモーターが回ったとしても無理にエンジンを掛けないようにしましょう。
車が動かない時の対処法
では、車が動かなくなってしまったらどのように対処したらよいのでしょうか?
万が一に備えて知識、必要があれば道具を用意しておきましょう。
万が一に備えて知識、必要があれば道具を用意しておきましょう。
ジャンピングスタート
ジャンピングスタート
他の車と自分の車をケーブルで繋ぎ、電力を借りてエンジンを始動する方法です。
まずは自車のバッテリーと救援車のバッテリーをブースターケーブルで繋ぎます。つなぐ順番は
①自分の車のプラス
②救援車のプラス
③救援車のマイナス
④自分の車のマイナス
このように行います。これは、ケーブルを繋ぐ瞬間に飛ぶ火花の量を極力減らすためです。
そして、救援車のエンジンを始動し、オートマ車ならPレンジ、マニュアル車ならNポジションに入っていることを確認してからアクセルを煽り、2000~3000回転付近を保って発電量を多くします。
10秒程維持してから、自分の車のエンジンを始動しましょう。エンジンの始動を確認したら、逆の手順でケーブルを取り外してください。
バッテリーが上がっているのみならず、性能が著しく低下しているような場合は、一度エンジンが掛かっても再始動ができないことも考えられます。
エンジンが掛かったらすぐに整備工場で点検をしてもらうようにしましょう。
他の車と自分の車をケーブルで繋ぎ、電力を借りてエンジンを始動する方法です。
まずは自車のバッテリーと救援車のバッテリーをブースターケーブルで繋ぎます。つなぐ順番は
①自分の車のプラス
②救援車のプラス
③救援車のマイナス
④自分の車のマイナス
このように行います。これは、ケーブルを繋ぐ瞬間に飛ぶ火花の量を極力減らすためです。
そして、救援車のエンジンを始動し、オートマ車ならPレンジ、マニュアル車ならNポジションに入っていることを確認してからアクセルを煽り、2000~3000回転付近を保って発電量を多くします。
10秒程維持してから、自分の車のエンジンを始動しましょう。エンジンの始動を確認したら、逆の手順でケーブルを取り外してください。
バッテリーが上がっているのみならず、性能が著しく低下しているような場合は、一度エンジンが掛かっても再始動ができないことも考えられます。
エンジンが掛かったらすぐに整備工場で点検をしてもらうようにしましょう。
ジャンプスターター
ジャンプスターターは、他の車のバッテリーを借りずにエンジンを掛けるための携帯型非常用バッテリーです。大きさも小脇に抱えて持ち運べるほどで、重量も重くはないため、いざというときのために車内に置いておくと役に立ちます。
なお、最近のジャンプスターターはスマホの充電やUSB機器への電源供給、電源の安定化機能(家庭用100V機器の使用など)が付属しているモデルもあるなど、ただのジャンプスターターとしてだけでなく、より多様になっています。
付加機能も含めて考えれば、非常用として心強いこと間違いなしです。
なお、最近のジャンプスターターはスマホの充電やUSB機器への電源供給、電源の安定化機能(家庭用100V機器の使用など)が付属しているモデルもあるなど、ただのジャンプスターターとしてだけでなく、より多様になっています。
付加機能も含めて考えれば、非常用として心強いこと間違いなしです。
ガソリンスタンドに連絡する
近隣にガソリンスタンドがあれば、出張救援をしてくれる可能性があります。
まずは最寄りのガソリンスタンドへ連絡し、救援が可能かどうか訊ね、ガス欠やバッテリー上がりなど、自車の状態を伝えましょう。
フルサービスのガソリンスタンドであれば、ガソリンの携行缶を貸し出ししてくれることもあります。
令和2年2月1日より消防法が改正され、セルフスタンドでの携行缶への給油はできなくなったので注意が必要です。
まずは最寄りのガソリンスタンドへ連絡し、救援が可能かどうか訊ね、ガス欠やバッテリー上がりなど、自車の状態を伝えましょう。
フルサービスのガソリンスタンドであれば、ガソリンの携行缶を貸し出ししてくれることもあります。
令和2年2月1日より消防法が改正され、セルフスタンドでの携行缶への給油はできなくなったので注意が必要です。
JAFのロードサービスを利用する
JAFとは日本自動車連盟という名前で、故障車救援の他に、日本で行われる様々なモータースポーツの公認を行うなど、自動車に関する様々な業務を取り扱っている団体です。
JAFの会員になっていれば、以下のロードサービスを無料で利用できます。
・一般道での故障車牽引(15kmまで無料)
・一般道でのバッテリー上がり
・一般道でのスペアタイヤ交換
・一般道でのキー閉じこみ
・高速道路上でのガス欠(燃料費は実費)
会員になっていれば自分の車でなくとも利用できるところがポイントです。例えば社用車や代車、知人から借りた車などでも利用できます。年中無休で24時間対応してもらえるのも安心できますね。
JAFの入会金は2000円、年会費は4000円となっています。(JAF公式ホームページより)
JAFの会員になっていれば、以下のロードサービスを無料で利用できます。
・一般道での故障車牽引(15kmまで無料)
・一般道でのバッテリー上がり
・一般道でのスペアタイヤ交換
・一般道でのキー閉じこみ
・高速道路上でのガス欠(燃料費は実費)
会員になっていれば自分の車でなくとも利用できるところがポイントです。例えば社用車や代車、知人から借りた車などでも利用できます。年中無休で24時間対応してもらえるのも安心できますね。
JAFの入会金は2000円、年会費は4000円となっています。(JAF公式ホームページより)
任意保険のロードサービスを利用する
任意保険の保険会社もロードサービスを充実させています。加入している保険会社や契約内容によって受けられるサービスも異なりますが、
・故障車運搬
・バッテリー上がり
・スペアタイヤ交換
・ガス欠
などの項目を、無料で受けることができます。
特に保険のロードサービスが優れている点は、無料での牽引・運搬距離がJAFに比べて長い点です。距離は保険会社によって上下がありますが、30km~100kmまでを無料とする会社が多いようです。
注意したいのが、任意保険をかけている車でないとサービスを受けられないという点です。JAFは「人」にかかるサービス、保険は「車」にかかるサービスであることを留意しましょう。
車が動かなくて帰宅できない場合、宿泊費用や公共交通機関の費用を負担してくれる保険会社もあります。
自分が加入している保険会社がどのようなロードサービスを展開しているのか確認しておくことが重要です。
ちなみに筆者はJAFのサービス、任意保険のロードサービス共に利用経験があり、JAFの会員は現在も継続して加入しています。
どちらも、路上で車のトラブルに遭遇した際はとても心強いサービスです。
・故障車運搬
・バッテリー上がり
・スペアタイヤ交換
・ガス欠
などの項目を、無料で受けることができます。
特に保険のロードサービスが優れている点は、無料での牽引・運搬距離がJAFに比べて長い点です。距離は保険会社によって上下がありますが、30km~100kmまでを無料とする会社が多いようです。
注意したいのが、任意保険をかけている車でないとサービスを受けられないという点です。JAFは「人」にかかるサービス、保険は「車」にかかるサービスであることを留意しましょう。
車が動かなくて帰宅できない場合、宿泊費用や公共交通機関の費用を負担してくれる保険会社もあります。
自分が加入している保険会社がどのようなロードサービスを展開しているのか確認しておくことが重要です。
ちなみに筆者はJAFのサービス、任意保険のロードサービス共に利用経験があり、JAFの会員は現在も継続して加入しています。
どちらも、路上で車のトラブルに遭遇した際はとても心強いサービスです。
運転中に車が動かない状態になった時はどうするの?
運転しているときに車に異変が起きたら怖いですよね。
パニックになってしまうかもしれませんが、冷静に。
事故や怪我をしないためにも、以下の流れをイメージトレーニングしておくのがお勧めです。
パニックになってしまうかもしれませんが、冷静に。
事故や怪我をしないためにも、以下の流れをイメージトレーニングしておくのがお勧めです。
車を安全な路肩に寄せ、停車させる
車にトラブルが発生した場合は、ハザードランプを点灯し、車を路肩に寄せて停車させましょう。ハザードランプを点灯させることで後続車に車を減速させる意図があることを伝えられます。必ずハザードランプ点灯、後方の安全確認を行ってから減速しましょう。
橋の上やトンネル内、または路肩の狭い高速道路などの場合は、可能な限り広い所まで自走しましょう。
橋の上やトンネル内、または路肩の狭い高速道路などの場合は、可能な限り広い所まで自走しましょう。
発煙筒と停止表示器材を車両後方に置く
高速道路の場合、同乗者を避難させてから、発煙筒、停止表示器材を車から50m以上後方に置きます。ガソリンが漏れている場合は、引火の危険があるので、発煙筒は使わないでください。
高速道路上に車両を停止する場合は、停止表示板などの停止表示器材を置くことは義務となっています。
高速道路上に車両を停止する場合は、停止表示板などの停止表示器材を置くことは義務となっています。
安全な場所へ避難する
追突された際に巻き添えにならないよう、必ず、車より後方へ向けて避難しましょう。
ガードレールがある場合はガードレールの外側、ない場合は可能な限り車道から離れましょう。
ガードレールがある場合はガードレールの外側、ない場合は可能な限り車道から離れましょう。
救援依頼をする
JAFや加入している保険会社へ救援を要請しましょう。この際、車の諸元(データ)や車検証の内容、保険の加入内容について訊ねられることがあるので、車検証ケースを持って避難するようにしましょう。