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車の凹みを自分で治すのは危険!?プロに治してもらうべき理由

 急なトラブルの中でも車の凹みを発見したときはショックですよね……。
皆様も駐車中に、電柱にウッカリ……。ガードレールに気付かず……。車を擦ってしまった経験はないでしょうか?

 車の凹み、擦り傷は、走行上では影響がないため、放置しがちです。しかし、塗装が剥がれてしまったり、錆が進行したり、車にとってよい状態ではないのも事実。プロに頼むと高いし、自分で直したいと思っている人もいるのではないでしょうか?

 今回はそんな人のために、プロとDIYでの、車の凹み修理の違いを解説していきます。

車の凹みをDIYする方法

自身で施工できる内容で代表的なものを四つ紹介します。

デントリペアキット(補修キット)を使う

 デントリペアとはDent(凹みを意味する英語)を補修するという意味で、専用のキットが販売されています。凹んだ部位を内側から押し出すタイプと、外側から引っ張りあげるタイプの二種類があり、1000円程度から購入可能です。
※デントリペアキットを詳しく知りたいかたは画像検索をしてみて下さい。

ヒートガンや冷却スプレーを使う

 ヒートガンとは高温の熱風を吹き出す工具のことです。一般家庭用のドライヤーと違って、100℃から500℃もの熱風を生み出すことができます。これを使って凹んだ部分を温め、冷却スプレーを吹き付けることで、素材が縮もうとする力を利用して引き出せる可能性があります。
 樹脂製のバンパー等の場合、ヒートガンではなく熱湯を掛けて温め、吸盤を使って引き出すなどの方法も取ることができます。
 ただし、温めすぎると塗装が沸騰してしまったり、鉄板が伸び切って戻らなくなってしまうなどのリスクもあります。

裏側から叩く

 凹みの裏側を直に叩いて元に戻す方法です。
 裏側に工具を入れるスペースがあること、叩くことができる素材であることなど、条件が限定されているのが難点です。また、かなりの割合で、内装パーツを取り外さなければならず、車に詳しくないと作業はできないでしょう。

パテを盛って塗装する

 塗装自体が傷ついてしまっている場合は、見た目を元に戻すために塗装が必須になります。
 凹み自体をパテで覆い隠してしまい、表面だけ元通りにしてから塗装するのであれば、素材を引き出す工程を省くことができます。
 パテやタッチペンといった補修材も進化しているため、傷や凹みが小さい場合は、車のDIYに慣れていない人でもかなり綺麗に直すことができます。

車の凹み修理をプロが行う手順

 プロが修理を行う場合、専門的な知識や技術、観察眼をもって、あたかも傷や凹みがなかったかのように修復することができます。DIYで同じレベルの補修を行うのは難しいのですが、どのような手順で行うのかを解説していきます。

凹みの状態確認・引き出し

 凹みの状態を確認し、専用の工具を用いたりごく一般的なハンマーで叩いたりするなど、その凹みに合う方法で可能な限り原型に戻していきます。

パテ盛り

 引き出した部位の表面を平滑にするために、パテを盛ります。この際、パテが素材に対して食い付きがよくなるよう、塗装をやすりで削るなどの下地処理を行います。
 このパテ付けの工程でボディ表面の見た目が決まるため、何種類もパテを使い、盛っては削りという作業を何度も繰り返し行います。

塗装

 塗料の下地となるサーフェイサーを吹き付けてから、車と同じ色の塗料を吹き付けていきます。
 この「車と同じ色」という部分がミソです。
 車は使用状況や経年数によって、新車時には同じはずだった色に一台一台微細な差が生じてきます。この色の違いを車に合わせて調整し、ピタリと合致した色を作ることを「調色」といいます。
 ボディ色を吹き付けた後、透明な塗料を用いてクリア層を作ります。このクリア層がボディ色の劣化を防ぎ、濡れたような光沢を生み出しています。

仕上げ

 塗装後の微細な凹凸を、やすりやポリッシャーなどを用いて磨く作業です。
 この工程を行うことで、ボディ表面がより平滑になり、鏡のように周囲の物を映し込むようになります。

車の凹みを自分で修理する際のリスクとは

 ここまでの解説で、DIYとプロの修理の手順に、あまり差異がないように思われた方もいるかもしれません。
 実際に、内容としてはほとんど変わりないのです。
 最も大きな違いは、傷や凹みの状態を確認する能力と対応です。
 プロは知識や経験として、凹みの大きさ、深さ、凹み方、部位の素材などの違いを読み取り、凹みを引き出す最適な手段をすぐに導くことができます。
 しかしDIYで行う場合、凹みを引き出す手段を間違える場合が多く、引き出し過ぎてしまったり、逆に引き出しが足りない状態で無理やりパテ付けを行うことが多々あります。

 また、塗装も大変な技術を要する作業です。
 塗装に造詣が深くない方が行うと、塗料が垂れてしまったり曇ってしまったり、あるいは乾燥後にひび割れを起こすケースがあります。
 そして多くのDIYは調色を行わないので、遠目から見たときに修理した部位とそうでない部位とでハッキリ色が違う状態になってしまいます。

 こうした失敗が積み重なると、補修からある程度の日数が経ってから、盛り付けたパテが剥がれてしまったり、塗装が浮き上がってしまい、水が入り込んで錆を発生させてしまいます。
 内部で進行する錆は中々気付きにくいため、錆びていると気付いた時には重要な骨組みにまで侵食が進んでいる場合もあります。

 DIYで作業を行うと、時間やお金の節約になったり、自らの経験になることは確かです。
 しかし、車の凹みを高い質で直したい、或いは今後乗り続けていく上での安心が欲しいという方は、自分で直すのではなく、知識や技術を持ったプロに任せることを強くお勧めします。

車の凹みをプロが修理する際は、どれくらい時間とお金がかかる?

 では、車の凹み修理をプロに任せると、どれくらいかかるのでしょうか?
 答えは、「程度によって異なる」です。
 プロは上記の項目に挙げたように、車の状態確認と処置の判断を丁寧に行い、その結果を元に修理を行います。
 車の傷つき方や凹み方、塗装の必要な範囲、使う塗料の種類は一台一台異なりますので、これといった基準を申し上げることは難しいのです。

 そのため、事前に預ける時間や金額を知りたい方は、一度見積もりをしてもらうことを強くお勧めします。
 その際にどのくらい綺麗に直してほしいかや、自分が出せる予算の上限などを伝えれば、問診を元に修理内容を考えることができます。