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板金塗装のDIYで同じようにできないプロの「塗装」のやり方とは?

「板金塗装して、表面に入ったキズを直す!」といいますが、具体的に塗装部分を直すとき、どんな手順で行うのか見ていきましょう。

※通常は、『鈑金塗装』ですが、わかりやすいように、「板金塗装」で表記してます。

板金塗装の「塗装」とは?

車は、金属でできています。
水や塩気、熱で表面にサビが発生します。
サビが発生すると、見た目が悪くなるだけでなく、ひどくなると表面に穴をあけてしまいます。

そのため、長期間使用できるように、塗装をして表面を保護します。

塗装の施工方法は、新車の製造過程で行う方法と、使用過程で行う方法は違います。

今回は、使用過程で発生した、キズの修理方法についてみていきましょう。

板金塗装の「塗装の修理方法」

前回のブログでふれた「板金」を終えてパテで表面を整えた後、そのまま塗装するとパテは目が粗いので、表面の微小な凹凸が出てしまいます。

そのため、表面処理をキッチリすると同時に、各工程を確実に行わなければ、修理後に変色したり、はがれたりします。
色によって変わりますが、一般的の工法を説明します。

サフェーサーを塗る

パテ表面の微小な凹凸をうめるために行います。

表面を脱脂して油分を取り除き、サフェーサーをスプレ-ガンと呼ばれる工具の中に入れ、高圧のエア-を使い、吹きつけて塗ります。
乾燥したら、極細目1000番ぐらいの水をつけて磨く耐水ペーパ-で表面を磨きあげます。

この工程は、塗装の下地を作る部分なので、塗装の仕上がりを左右します。

色を作る

自動車の塗装は、各車体色が最初からあるわけでなく、配合表に合わせて、いろんな色を混ぜ合わせて作っていましたが、車体色も何千種類とあるので、どんな色でできているかを識別する機械などを使って作成します。

そして、車のボディは、太陽などに日々照らされているので、各車体色の配合表や識別する機械通りに混ぜても、他の部分と色が合いません。

そのため、実際の車体色に合わす「調色」を行います。
調色する時に、一滴の色を入れるか、入れないかで、色が大きく変わるので、熟練や経験の分野です。

色を塗る

作成した塗料を、サフェ-サ-と同じように、スプレ-ガンで吹きつけて塗装します。

ボディ表面から、スプレ-ガンの距離を変えたり、作成した塗料の粘度を変えることにより、塗膜を薄くしたり、厚くすることができます。
例えば、ドア表面に吹きつける時は、薄く。タイヤが入っているホイ-ルハウス内は、飛石などでキズが入りサビないように、塗膜を厚くしたりします。

また、スプレ-ガンを動かす速度を、一定にしないと、塗膜の薄い・厚いができ、同じパネル内で仕上がりが変わってしまいます。

色の種類によって、1回で塗れる色もあれば、何回も上に色を塗り重ねることで、色の濃さ合わせていく方法もあります。

熟練が必要な工程です。

塗装をぼかす

塗装をした部分としていない部分の境目を、わかりにくくする「ぼかし」と呼ばれる処理を行います。

ぼかしを行うのは、例えば、左フェンダ-・左ドアを塗装すると、それに続く、左後ドア途中まで、薄く霧がかかるように塗料を吹きつけます。

吹きつける範囲は、ドアの上側から下側まで、同じ位置で止めると、線が入ったように目立つので、上側はドア手前側の少ない範囲をぼかし、下側にいくほど、範囲を広くしていき、わかりにくくします。

表面を磨く

塗った部分が乾燥したら、表面を磨き、つるつるにすると同時に、塗装がキッチリ仕上がっているか確認します。

色によっては、何層かに別れている場合もあるので、表面を磨き次の層の塗装に入ります。

磨きすぎると、その部分だけ、色や変わったり、下地が見えてしまうので、慎重な作業が必要です。

板金塗装の「塗装に必要な代表的な道具」

塗装を行うときに使う、代表的な道具をみていきましょう。

サンダ-

塗装の各工程で、次の工程に移るため表面を磨くとき、サンドペーパ-で広い範囲を磨くと大変なので、作業時間を短縮すると同時に、均一に
磨くことができます。

高圧のエア-をつないで駆動します。

磨くため動く部分が単一なもの、複雑に動くダブルアクションタイプなど、用途に応じて使いわけます。

配合表

車のボデイ色は、最初からあるわけではなく、いろいろな色を混ぜ、作成しています。

配合表は、どんな色をどれぐらいの割合で混ぜるかを、記載したものです。

同じ色でも、生産されて期間・工場で、若干ちがいます。

そのため、配合表の同じ色のページに、何パタ-ンも色見本が掲載されています。
色見本を、ボディにあて、修理するボディ色に近い色を作成します。

カラ-マッチングシステム

ボディ色は、何千通りもあり、配合表だけでは、わからない色もあります。カラ-マッチングシステムは、塗装する車の色彩を測定して、今のボディ色が、どのような色なのかを具体的に判断します。

表示された色の番号を照合して、必要なボディ色を作成します。

塗料配合計量器

配合表やカラ-マッチングシステムで指示された、原色の塗料をどれぐらい注入するかを表示する塗料の測りです。
一滴で、色彩が大きく変わるので、精密な計量精度が要求されます。

計量精度が悪いと、塗料の注入を繰り返しても、思うような色彩になりません。

スプレ-ガン

塗料をスプレ-ガン上部のタンクに注入し、霧状にしてボディ・バンパ-などに吹きつけて塗装します。
塗装する場所、作業者の塗り方に合わせ、噴霧の状態を変えることができます。

スプレ-ガンにも、吹きつけする色によって、噴霧状態を変える必要があり、ソリッド塗装用・パールメタリック塗装用など、いろいろあります。

塗装ブース

塗装を行うとき、ブースとよばれる屋内へ入れます。
ブース内は、室内の上側から下側に向けて空気を流します。

閉鎖されたブ-ス内で塗装することにより、吹きつけた霧状の塗料の残りや、ホコリ・ゴミが付着して、塗装面がブツブツになったり、デコボコになることを防ぎます。

また、全体を蛍光灯で照らして、仕上がりの確認をしながら、作業を進めることができます。

まとめ

いろんな色があると同時に、次々に新しい技法の塗装が出てきます。自動車メーカ-は、品質を向上するために、高品質な塗装を開発して、新色を出します。

新しい色を修理するためには、新しい技術が必要です。

そういっても、根本的な部分がわかった上での作業なので、板金同様に塗装も、「ウデの差」が大いに仕上がり日に反映する職人の世界です。

もちろん、カワグチ自動車では、『板金塗装』を扱っています。
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修理部分の色もしっかり直ります。